医療ドラマは放送業界において安定した視聴率を得られる人気コンテンツだと言われています。日常生活と密接している医療現場を舞台にした人間ドラマは共感しやすいというのが理由のようですが、その一方で面白さや奇抜さを重視した演出によって、誤解が生じていることもあります。特に看護師の仕事内容や生活については、ドラマの内容によっては事実とは異なる点が少なくないようです。

医療ドラマにおける看護師への誤解は様々ですが、中でも医師やほかの医療従事者との対立は無視できないという声をよく耳にします。なぜなら、同じ職場で立場が異なる者同士の対立という設定は、ドラマの面白さに拍車をかけるかもしれませんが、実際の医療現場ではほぼ起きないからです。

医療機関の運営に支障がでるほどの対立は、実際にはあり得ない話であり、看護師と医師はお互いに協力があって成り立つ仕事と言っても過言ではありません。しかし、医療に関する知識を持たない人だけではなく、看護師を目指す人が医療ドラマを真に受けてしまうと問題があります。また、医療ドラマでは定番とも言える医師や患者とのラブロマンスも絶対にないとは言い切れないものの、多忙な医療の現場では恋愛感情を抱く暇がないのが実状です。

そのため、フィクションの世界を真に受けて看護師になってしまうと、実際に医療機関で働くようになってから大きなギャップに直面してしまいます。極稀なことですが、そのようなことから仕事へのやる気が削がれてしまうこともあるようなので、医療ドラマはフィクションとして割り切る姿勢が重要です。